ジャック・ロジエ!

http://www.rozier.jp/index2.html

ああ、なんていいんだろう!
ジャック・ロジエの映画って!。

かわいい女の子たち! 海! 恋! そしてバカンス!!
やっと今日「オルエットの方へ」を見れた!

はちきれそうに若い女の子たちが、
笑い転げている姿を、瑞々しく伸び伸びと写しとっている。
それはおそらく男たちがなかなか垣間見ることのできない姿。
そして、このロジエの目線は、どうみてもすけべなおやじの目線だよね〜。
伸びやかな脚、そして、お尻。
くったくのない笑顔と、眉をひそめた悲しげな顔。
そんな親密な一瞬を切り取れるなんて、すごい!
アデュー・フィリピーヌ」は1960年〜62年の作品。ロジエは38〜40歳。
オルエットの方へ」で女の子たちにスケスケのシャツを着せて、
逆光でその美しい体を写したのはロジエが43歳から45歳。
まさに中年オヤジの目線なのよね。
でもいいんだよね、この笑いころげる娘たちが。

彼女たちがそのあっけらかんとした肢体をお互いにからませて、
いつまでもコロコロと笑い転げている声を聞いていると、
私たちもそこにいるみたいに、笑いが伝染してくる。
声をあげて笑いたくなる。
なんて幸せな映画だろう!

あの若さの美しさは、そのさなかにいるとわからないものだから、
このロジエの映画の素晴らしさを心行くまで味わえるのは、
実は中年以降のものたちの特権なんじゃないかと思ったぐらい。

上映劇場のユーロスペースは平日昼間だというのに、ほぼ満席だった!
そして、結構若い人がたくさんいて、嬉しい驚きでした。

代表作であり傑作の「アデュー・フィリピーヌ」も
もちろん上映してます。
でも今週いっぱいです!!
ぜひぜひ!

19日までユーロスペース
11:00  短編3本(「ブルー・ジーンズ」「バルドー/ゴダール」「パパラッツィ」)53分
12:30 「オルエットの方へ」161分
16:00 「メーヌ・オセアン」135分
19:00 「アデュー・フィリピーヌ」110分

ちなみにシネモンドでの上映は未定です。
どこかで上映するとは思います。

<特集上映:兵士は戦場で何を想う>

戦場でワルツを』『沈黙を破る』公開記念トークイベント*
●2月13日(土)
●ゲスト:岡真理さん(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
●当日タイムテーブル
10:15 『戦場でワルツを
12:00 『沈黙を破る』
14:25 『戦場でワルツを
15:50 トーク開始(60分)
17:00 『ピリペンコさんと手づくり潜水艦』
18:45 『戦場でワルツを
20:30 『脳内ニューヨーク

●料金:トーク券 500円(トークのみお聞きになることもできます)
    2回券2200円(『戦場でワルツを』『沈黙を破る』のみ有効)
    *お得なトーク付き2回券2500円もあります!*

『戦場でワルツを』『沈黙を破る』にゲスト決定!

戦場でワルツを』『沈黙を破る』にゲスト決定!

*
2月13日の土曜日
アカデミー賞外国語映画賞で「おくりびと」と賞をあらそった話題作『戦場でワルツを』、そして『沈黙を破る』の公開にあわせて、
シネモンドに岡真理さんをお呼びして充実したトークショウを行う予定です!
時間が決まり次第、すぐにまたアップします。
2月13日、金沢にいける人、大集合してくださ〜い!あけといてください!


戦場でワルツを』はシネモンドでかけるかどうか、散々悩んだ作品です。
映画の手法としては、映画としては凄いのです。
だって、アニメーションでドキュメンタリーって何?!
でも、でもこの内容を見ていると、納得できない。
私は賛同できない。
ただ、それはお客様が考えることなのです。
だから、上映することにしました。
ただ、そのままただ上映してしまってよいものか、も悩みました。
「ちょっと待って、何か違和感ないですか??」
ということを表現したくて、
『沈黙を破る』を一緒に公開することにしました。
そして、それでもまだ足りない気がして、どうしてもゲストトークをしたかった。
何か、解説なり、指針なり、こういう解釈もありですというところを示したかったのです。

そして、すばらしいゲストをおねがいできることになりました。
岡真理さんです。彼女ぐらい今回のゲストにふさわしい人はいないと思います。
関西での『戦場でワルツを』上映のときはあちこちでゲストトークをなさっていました。
私は個人的にはおそらく15年以上前にある機関誌で鼎談したことがあったのです。
2008年のガザ侵攻のとき、空爆下のガザから送られてくる緊急メールを翻訳して発信してくれた人としての記憶も新しいのではないでしょうか。

『沈黙を破る』は長らくパレスチナイスラエル問題を伝えてきたジャーナリスト、土井敏邦氏の監督作品。17年に及ぶ取材記録をもとに構想された全4部から成るドキュメンタリー、『届かぬ声─占領と生きる人びと─』の第4部にあたります。


戦場でワルツを
2/13(土)〜
[2008/イスラエル/1時間30分]
監督・脚本・製作:アリ・フォルマン
公式ホームページ →→→ http://www.waltz-wo.jp/
アカデミー賞外国語映画賞ノミネート ほか多数
1982 年、パレスチナ難民大虐殺…なぜ彼は覚えていない? 世界中の度肝を抜き、アカデミー賞も恐れをなした傑作ドキュメンタリーがついに上陸! いまだかつてなかった、記憶への旅がはじまる!! カンヌ国際映画祭で上映されるやいなや、ジャンルを超越する斬新な手法と衝撃の内容で熱狂的な支持を受け、その後ゴールデン・グローブ賞、全米批評家協会賞ほか各国の映画賞を総なめにする快進撃をみせた。本年度米国アカデミー賞外国語映画賞では『おくりびと』の対抗馬として日本でも広く注目を集めることに。世界中が熱狂した話題の映画がいよいよ公開。


『沈黙を破る』http://www.cine.co.jp/chinmoku/story.html
2009
130分
長編ドキュメンタリー
ビデオ
カラー

監督・撮影・編集:土井敏邦
製作:山上徹二郎
編集:秦 岳志
整音:小川 武



2002年春、イスラエル軍ヨルダン川西岸への侵攻作戦のなかで起こったバラータ難民キャンプ包囲とジェニン難民キャンプ侵攻。カメラは、2週間にも及ぶイスラエル軍の包囲、破壊と殺戮にさらされるパレスチナの人びとの生活を記録する。

同じ頃、イスラエルの元将兵だった青年たちがテルアビブで写真展を開く「沈黙を破る」と名づけられた写真展は、“世界一道徳的”な軍隊として占領地に送られた元兵士たちが、自らの加害行為を告白するものだった。占領地で絶対的な権力を手にし、次第に人間性や倫理、道徳心を失い、“怪物”となっていった若者たち。彼らは、自らの人間性の回復を求めつつ、占領によって病んでいく祖国イスラエルの蘇生へと考えを深め、声を上げたのだ。

監督は、ジャーナリストとして20数年にわたりパレスチナイスラエルを取材してきた土井敏邦。数百時間にも及ぶ映像を、長編ドキュメンタリー映画として完成させた本作では、イスラエル軍パレスチナ人住民にもたらした被害の実態と共に、“占領という構造的な暴力”の構図を、人びとの生活を通して描き出している。

時に絶望的に見える抑圧をしたたかに生き抜くパレスチナの人びと、そして、「祖国への裏切り」という非難に耐えながらも発言を続けるユダヤ人の若者たちの肉声は、「パレスチナイスラエル問題」という枠を越え、人間の普遍的なテーマに重層的に迫る。

岡 真理(おか まり)さん
京都大学大学院人間・環境学研究科教員。専攻は現代アラブ文学・第三世界フェミニズム思想。学生時代にパレスチナ文学に出会い、以来、パレスチナ問題に
関わる。現代世界に生きる人間の普遍的思想課題としてパレスチナ問題を考える。著書に『彼女の「正しい」名前とは何か』(青土社、2000年)『記憶/
物語』(岩波書店、2000年)『棗椰子の木陰で―第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社、2006年)『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書
房、2008年)。

『息もできない』

今日、「生きていてよかった」「この映画を見られてよかった」「淀川さんが生きていたら、この映画が見られて生きていた甲斐があったっておっしゃっただろうなぁ、こんなすごい人がまた出てきましたよって言いたいな」と思う映画に出会いました。

去年の東京フィルメックスで「グランプリ」と「観客賞」のダブル受賞を果たした傑作
『息もできない』(英語タイトル Breathless)

http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=4725

ヤン・イクチュンが監督・主演・製作・脚本・編集した、驚くべき長編デビュー作です。
この、全身からぷんぷんとワルのオーラを放ちながら、人を魅了せずにいられない男の魅力は何なんだろう。
あの、『動くな!死ね!甦れ!』のパーシャを彷彿とさせる風貌。
どこか暗く、孤独な色をして、澄んだ上目遣いの目と、猫背のシルエット。
『理由なき反抗』のジェームズ・ディーン
同じ英語題の『勝手にしやがれ


間違いなく、映画史に残る傑作だと思う。
そしてヤン・イクチュンという名前はこれから、どんどん世界に羽ばたいていくんだろうな。
韓国映画界は凄いことになってるんだなぁ。

130分という長尺がまったくその長さを感じさせない。
かといって、パワーがあふれすぎて、へとへとになってしまうようなこともなく、
130分を十分に味わいながら、いつまでも終わらないでほしい、と願ってしまう。

泣きすぎて頭痛くなるほど。
なのだが、決して「お涙頂戴」ではないのです!
手が伸びてきてそのまま心を鷲づかみされるのです。
心が動く、ってのはこういうことなんだ、ていうぐらい。

「年明け早々、こんな凄いの見ちゃったら、困るなぁ、どれも色あせるでしょう」
と言ったら、「秦(早穂子)さんも同じことおっしゃってた! これみちゃったら、どれもこれも大したことなくて困るって」

宣伝会社や配給会社、劇場の人たちと興奮して話してて
「同時代に生きててよかった!」とか目をウルウルさせて
「話したくなるんだよね、でもさ、話してるうちに熱くなりすぎて、ウザッって思われてると思う」
と言っていたな。
そろそろやめとこう。

でも本当に本当にこれ、見ないと損する。すごい才能!(ウザ)

崔さんが吼えた

シネマトゥデイに連続して映画教室関連の記事が載った。
崔洋一監督が吼えてくれた。
崔さんとフィルメックスで会って(審査委員長だったのです)
こども映画教室が・・・と話していたら、いやぁ、ホントに冗談じゃないよ! ちゃんとした形で発表するからさ
と言っていたのでした。

民主党文化政策に物申す!崔洋一監督激怒!「文化を数字で計るのか」
http://www.cinematoday.jp/page/N0021264

[シネマトゥデイ映画ニュース] 行政刷新会議による事業仕分けの結果について、予算削減の対象となっている新進芸術家海外研修制度(当時は芸術家在外研修)で平成8年度(1996年)に韓国・延正大学に留学した崔洋一監督(日本映画監督協会理事長)が、シネマトゥディにコメントを寄せてくれた。「言いたいことは、この5倍はある」という崔監督に、なるべくコンパクトに要点をまとめてもらったものだ。以下、全文を掲載する。

 「今回の“仕分け”は、前政権が垂れ流し的に助成(映画以外の他の事業も含めて)してきた時代を明らかに覆したと言えるでしょう。これは、政権交代の劇的な社会変化、ただし、すっきりとしない政策不実行や様々な仕組みはいじろうとするが、国民生活に密着し、その向上に資するはずのマニフェストとは隔離していく現状の肯定と位置付けられるものです。

 したがって、印象としては“仕分け”が分かりやすく、いじりやすい事業に絞って議論されているのではないかと考えています。 自公政権時の、やや無定見に映る文化施策は問題がありながら(どこかで申請得、プロ的助成慣れ等々)も、それなりに機能して“間を抜く”天下りは論外ですが、幅広く助成が微々たるものですが“文化向上”に役立っていたのは事実です。

 さて、問題は、個々の本当に大切な助成が削られようとしているのですが、一番の問題は民主党文化政策です。相も変わらずの“経済的文化政策”が軸で、外貨獲得(アニメ、ゲーム)、知的財産立国が闇雲に目的化され、その本質はまったく理解していないと言うのが現状です。

 システムだけはイギリスの方式を取り入れているようですが、金は出すが口は出さない本家本元とは違って、金は出さないが口は出す系の粗末さです。それは、マニフェストを読めば一目瞭然です。

 御用評論家と御用学者のノー天気な主張もまた、影響はしているのでしょうが、ここはやはり政治家がいかに文化を理解しているのかが問われるべきでしょう。何かと言えば、数値化、効果を具体的に示せ、と難癖のような要求です。お前らはバカか!? と言わざるを得ませんが、一歩譲ったとしても、文化芸術一般が人間成長やコミュニケーション能力にいかに影響してきたかは、数値や効果の問題ではなく、自然人(つまり人間存在そのもの)が人としてその感情や思想をいかに生き抜くための糧にしてきたかの、歴史を顧みるまでもないことです。映画が、いかにこの世界で過去、現在、未来を串刺しにして、人間の意識や認識の立体化をすることで救ってきたことでしょう。
 
 新進芸術家の海外研修の現行員数を減らせ、とのことでしたが現状はたかだか150人程度です。将来の日本を背負う若きクリエーターたちにそんなケチなことを言ってどうするのですか。また、在外研修の経験者としては、微力ながら日韓の映画人交流に幾ばくかの助力になった、と自負していますが、それは数値化や効果という概念とはまったく別のものです。(※崔監督は06年に韓国資本による映画『ス SOO』をチ・ジニ主演で製作している。)

 子どもたちの「映画教室」が閉じられようとしているのは、さかんに文部科学省が言う、子どもたちのメディア・リテラシー(情報が流通するメディアを使いこなす能力)の成長を計るとか、創造力を養いコミュニケーション能力の向上とかと、真逆の政策として矛盾することです。

 国際交流基金が、外務省の天下りの巣窟との認識(※理事長が5代続けて外務省からの天下り)はありますが、事業そのものが無駄という観点はまったくの無知と言うほかないでしょう。ちなみに交流事業の特に派遣、海外人物招聘事業(専門家、研修家の招聘)をたたいてますが、これまたまったくのナンセンス。昔の話ですけど、アメリカのフルブライト交流計画が戦後日本にどれだけの影響を与えたのか、総括して欲しいものです。(※1951年に当時の米国大使と吉田茂外務大臣が日米相互の人物交流に関する覚え書きを交わし、1952年から約30年、米国政府の出資で実施された人物交流)。

 (雑誌「AERA」09年12月7日号で)無駄に収集した映画3,200回が未上映などと数字だけが踊ってましたが、これまた、まったくの恥さらしです。東京国立近代美術館フィルムセンターだけではアーカイブが不完全であるという現状をどう把握しているのでしょうか。ちなみに国際交流基金が確信犯的に保存していたおかげで助かった映画祭出品の映画や日本文化の海外への紹介で活用された日本映画は数知れずです。(※フィルムセンターは、製作者及び所有者による寄贈が基本。また海外へのフィルム貸し出しにも厳しい条件がある)。ちなみに英語字幕付きの『月はどっちに出ている』のプリントは国際交流基金にしかないのです。

 また、芸術文化振興基金ですが、確かに助成を受ける資格が疑わしい”映画祭”も存在します。それこそ、その真の価値、評価こそを専門家、アートカウンシル(学芸員の領域を超えて、行政的、予算化も含め芸術文化の振興を行使できる能力を持つ人材)がすべきなのです。リーズナブルな施策を履行しようと思うのなら、遅きに資していますが、文化音痴の文化官僚ではなく、早急に専門家を育成すべきでしょう。

 まだ、たくさん言いたいことはありますが、この辺にしておきます。ただ、幸いなのは内閣官房参与に(劇作家・演出家の)平田オリザくんがいることです。もちろん、彼一人に背負わせるのは酷ですが、ここ一番踏ん張ってもらうしかありません。

「崔 洋一」

 なお崔監督は現在、アラブ首長国連邦で開催されている「第6回ドバイ国際映画祭」に参加中。来年1月27日から2月7日にオランダで開催される「ロッテルダム国際映画祭」では特集上映が組まれるなど、国際交流に一役買っている。(取材・文:中山治美)

仕分けられちゃいました!

事業仕分けで「子どもゆめ基金」が仕分けされてしまいました。金沢コ
ミュニティシネマが行っている「こども映画教室」の活動にも大きな影
響がでそうです。芸術文化振興と映画に関する記事がシネマトゥディで
取りあげられています。是非読んでみてください。(上)

シネマトゥディ
ー日本映画界の未来が危ない?こども映画教室存続の危機に!
 事業仕分けで廃止の審判
http://www.cinematoday.jp/page/N0021247