山形国際ドキュメンタリー映画祭2009

山形から帰ってきて、もうあっという間に3日も経ってしまった。
記憶の新鮮なうちに記録しとかないと。。。

いったい何回目になるのかな、山形。
子供が生まれてからは、週末と祝日の間だけしか参加できなかったのだけど、
今回は、「コミュニティシネマ賞」の審査員、ということになったので、9日から14日まで、ほとんどフルで参加できました!

6日間(とはいっても、14日は授賞式だったから、正味5日間)で、22本、見ました。

楽しかった! それはいつもと同じ。
でもいつもと違うのは、朝まで飲んで語って、というのをしなかったこと。
審査員、ということは、爆睡! なんてだめなわけで、やっぱり体調を整えておかないと、と思って、まじめに1時半ぐらいには宿に戻ってました。

そして、今回は、朝、公園を走りました!
ランニングシューズで行ったのも初めてだな。
なんども山形には行っていたのに、あんなに近くに公園があるってしらなかった。

もう木々の葉が色づき始めて、初日は虹も見たよ!!

そうそう、そして、コンペとアジア千波万波の作品34本から、1本、「コミュニティシネマ賞」を決めました。審査員5人の全員一致で、あっという間に結論が出ました。

インドのソーラブ・サーランギ監督の「ビラル」でした。
http://www.bilal.in/


なぜかプレゼンターを仰せつかり(まったく、ランニングシューズしか持ってなかったのに!)、心臓バクバクで膝ガクガクでしたけど、きっとさぞ堂々と落ち着いて見えたことでしょう(涙)。

授賞理由として、私が現場で話したのは:
「3歳のビラルの大きな瞳に審査員全員が心を動かされました。
映画が始まったとたんに、私たちはコルカタの喧騒に放り込まれます。
ビラルとともに狭い路地に入り込み、目の見えない両親のおぼつかない足取りにヒヤヒヤします。
ここで描かれるのは、シンプルであると同時にとても豊かな世界です。
それは監督がビラルや彼を取り巻く人々や街を見つめる繊細なまなざしと、高度な映画的技術によって生み出されているのです。
私たちは、一人でも多くの方々に“ビラル”に出会ってほしいと思います。」

まるで「リアル・スラムドッグ」!!

3歳のビラルの両親は盲目です。
ビラルにはもっと小さい弟がいます。
狭い狭いコルカタカルカッタ)のスラム街に住む家族。
でもその界隈みんなが生活共同体みたいで、
どの子が誰と兄弟なのかちっともわかんない。
いつもだれか子供がビラルの家にいて、両親を助けているし。。
ビラルはやんちゃでやんちゃで、しょっちゅうお母さんやお父さんにぶん殴られてる

で、ビラルもぶん殴り返す!!
小さい弟が高いベッドから落ちそうになったり、盲目のお父さんが車が猛スピードで走る道を白い杖もつかずによれよれと歩いていたり、とにかく気が気じゃない。ハラハラドキドキしっぱなしなんだな、これが。
まるで、浅草の遊園地「花やしき」のジェットコースターに乗ったみたい。いつ、民家に飛び込むか、壊れるかっていうドキドキ。

そして何よりもビラルの顔がいい!
スペシャルなんですね。なんとも魅力的で、生命力にあふれていて、フォトジェニック。監督が言っていたのが、スクリーン・プレゼンス(スクリーン上での存在感、かな)が素晴らしい、ということ。まさにそう。

いつか、かならず公開します。「コミュニティシネマ賞」とはそういう賞ですから。
楽しみだなぁ。

変わっちゃったんじゃないかとか、心配したけど、
楽しかった。本当にいい映画祭。
そうそう、今年は物凄く学生が多かった。
学校で教えている映画人が学生たちを引率してきていた。
う〜ん、金沢の「こども映画教室」の小学生より過保護なんじゃない?!
と思わなくもなかったけど、とにかく、若い人がたくさんいるのは活気があっていいな。

常連さんの顔を見なかったことが少し寂しかった。けど。

授賞式の写真をアップしました。
うううう、どうしても偉そうだよ。
小学校の卒業式の写真は、校長が深々と頭を下げている向こうで私が、よしよしって感じで堂々と胸をはっていた、、、、。